*写真はリクルート営業時代の私。若い。
これまでに3回転職しましたが、そのうち最も印象に残っている面接は、2社めのリクルートの面接。当時まだ社会人3年めだったこともあり、一番イヤで、一番本質的な面接でした。
リクルートという会社名を聞いてなにかしらの印象を抱く方、その印象まんまのエピソードをお届けします。特に何も印象がない方には「リクルートってそういう会社なんだ」と知ってもらえるようなエピソードになるかも。
印象に残る転職面接は少ない
3回転職したのでたくさん面接を受けたような気もするけれど、意外と印象に残っている面接って少ない。覚えているのは新卒パナソニックの最終面接、これから書くリクルートの最終面接、そしてソニーの面接くらいかもしれません。
3社めのサイバーエージェントは、なに聞かれたのかは全く覚えていないのだけど、一次面接の人事の女性がド金髪で、二次の最終面接がスキンヘッドにサングラスの男性だった。期待を裏切らないCAネタを提供してくれたなという記憶がある。笑
リクルートの面接
「質問は1つです。あなた、なんのために働きますか?」
さて本題。リクルートの面接所要時間1時間で聞かれた質問はこれ1つ。実はリクルートの面接だと王道中の王道質問ということは後から知る。
最初に「質問は1つです。」って言ってくる時点で強めな感じ。
通された部屋で先に自分が座って待っていて、勢いよく入ってきた面接官のおじさん(のちに社長になった人でした)は「ベンチャー企業の社長」と言われてテンプレでイメージされるような見た目の、こってりオラオラ系タイプだった。(リクルート自体はもはやベンチャーじゃないけど)
(誰か分かってしまったR時代の同僚のみなさんはスルーしてください笑)
すごい怖そうな人が入ってきて、1対1で、しかも質問は1つで、
「あなた、なんのために働きますか?」
と聞かれた私は面食らっていた。
ていうかまず自己紹介とかもないの? 一次面接はなごやかに自己紹介させてくれて、普通に質疑応答だったのに、と思っていた。
地獄の1時間1お題
まず面接時間が長い。今も1時間やってるのかは分からないが、リクルートの面接は基本的に長め。(それこそサイバーエージェントは最終面接も20分で、短いなぁと思ったことを覚えている。)
「質問は1つです。あなた、なんのために働きますか?」
「え…なんのために働くか? なんのために働いてるんだろう私…??」
そんなん私が知りたいわ、と心の中で言っていた。当時の私は答えを持ち合わせていなかった。
生きていくためにはお金が必要だし、お金のためには働く必要があるけど…とかそういう根本話じゃないんだよねきっと?
どうしよう、分からんそんな壮大なこと聞かれても。
と思いながらも黙ってるわけにもいかないので、「パナソニックでこれこれこういうことをしてきまして…」と必死になにか話そうとしたが、
「いや、なんのために働くのか?ってのが質問なんだけど」
と、真顔で容赦なく議題に引き戻されることを2~3回繰り返した。
質問の答えになってないな~ってことはこっちも心の中では分かってるよぉぉ、分かってはいるんだ、あああ~よよよ~
笑
自分で自分の答えが分からないお題だったので、最終的にどうなったかというと、煮詰まった。
「・・・。」
おそらく時間にして2分くらいは沈黙になった気がする。密室で2人しかいない面接において2分の沈黙って地獄かと思うくらい長い。
「なんのために働くのかっていう質問に関しては、今の私には分かりません。」
ちょっとキレ気味にそう言ったのを覚えている。
「だけど、パナソニックで家に関わる仕事をして、自分が毎日引いてる図面が本物のキッチンになって誰かのところに届いていて、ショウルームで家を買う人を目の当たりにしたらみんな真剣に選んでいて、毎日人が帰っていく場所である家っていいなと思って、住宅に関わることが好きになった。」
「だからもっとバリバリ働きたいと思って営業職がやりたいって思った。」
結局答えになってないんだけど、そんな想いを上乗せて喋った。取り繕うことをせずにまっすぐに喋った感覚はあった。
そうしたら、
「ふーーん、まあ全体的にふわふわしてるんだけどね。」
と、「ふわふわしている」とフィードバックされたので、(面と向かって初対面の他人にあなたふわふわしてるねって言われることってなかなかないよね)
「あ、こりゃ落ちたな。がーん」て思ったのだけど、次の瞬間に面接官は人事担当者に電話をかけ、「面接終わったけど入社の手続きとかは今日はいいの?」と言った。
「あれ?受かったってこと??なんなん。」
その時の私はただただ「??」な感じだった。
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