【転職体験記①】転職する際に意識すべき3つのこと〈その1〉

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私はこれまでに3回転職し、結果的に転職という手段によってなんとかキャリアアップしてきました。転職回数の多さや経歴の珍しさもあって、転職の相談をしてもらうことも多くあります。

今回の記事は、数年前に講談社の女性誌「with」のオンラインブログに書いた記事のリライトです。

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転職してきた経験が凝縮されている、ちょっとガチめな内容です。転職を考えている人なら思考の役に立つと思います。

転職する際に意識すべき3つのこと ~その1~

“「自分が何がしたいか」を明確に言語化できるか”

「転職する際に意識すべき3つのこと」1つめは“「自分が何がしたいか」を明確に言語化できるか”です。

のっけから本質的で重いんですが、これが何よりも大事。

全てと言っても過言ではないです。

何がしたいかよう分からん奴を企業は採りません。

転職活動においてこの先幾度となく話さねばならない内容の、ど真ん中にあたる部分です。

ところが人によってはこれがすごく難しく感じると思います。

私は昔、自分が何がしたいかもう全然分からなくて非常に苦労しました……。

実際に体験した転職面接

私が1社めのパナソニックから2社めのリクルートに転職した時の最終面接が、まさに今回のお題そのものを問われた面接でした。

偉そうな面接官(のちに社長となった人なので実際偉いのですが笑)が1人、勢いよく面接の部屋に入ってきてドカッと座り、こう言いました。

「質問は1つです。あなた何のために働きますか?」

その1つのお題のみで1時間話さなければならないという地獄の面接。笑

その時私は、「え…何のために働くか?分からんそんな壮大なこと聞かれても」と思いながら、「パナソニックでこれこれこういうことをしてきまして…」と必死に何か話そうとしましたが、「いや、何のために働くのか?ってのが質問なんだけど」と、何度も言われました。笑

取り繕うことはせずに話し続け、最終的に「今の私には分かりません」と正直に答えつつ、何かを喋って繋いだのですが、我ながら「なんてフワフワしてるんだろう私は……」と、質問に全く応えられない自分に血の気が引いた感覚を今だに覚えています。

その面接はとりあえず受かって転職はしたんですが、その後も「自分は何のために働くのか?」という問いはついて回りました。

(リクルートが非常にそこに重きを置いている会社だからというのもあります。20代で通るのがオススメの会社。機会があればそれについては別で書きます。)

なぜ「自分が何がしたいか」の言語化が難しいか

このお題の辛いところは、「正解がない」ことと、自分のことなので「自分以外に誰も分からない」ため、誰かに答えを教えてもらうことが出来ない点です。

自分が自分と向き合ってあげるしかない、地味にしんどくて疲れる自己分析です。

年齢・経験値やライフステージによって答えが変化したりもします。

元々やりたいことを明確に持っているタイプの人にとっては、難しくありません。

周りを見渡してみても、例えば働く前の学生の時点から、自分の意志が強く「将来これがしたい・なぜなら」を持っている人もいるし、持っていない人もいます。

持っている人はこのお題「自分が何がしたいかを明確に言語化」においては、何も苦労しないでしょう。

ですがどちらかというと多いのは、「将来のことは分からないしとりあえず安定した大企業が良い」「自分に何ができるか自信はないけど言われたことを一生懸命やろう」なんていう漠然とした思考の人な気がします。

(ちなみにこれは、新卒でパナソニックに入社した時の私のことです。笑)

実際、「転職したいんだよね」と言う人に、「(転職して)何がしたいの?」と聞くと、びっくりするくらい曖昧な答えが返ってくることがよくあります。

全ての枕詞に「なんとなく」がついたような状態、と言えば分かりやすいでしょうか。

「(なんとなく)今の職場もそろそろいいかなと思って」とか、「(なんとなく)他の仕事もやってみたいかなと思って」といった具合です。

いや、、そんな甘くないって!!(心の声)

この状態の人が言う「転職したい」はただの思いつきです。

「美味しいもの食べたい」と一緒。

なのでこの人の転職はしばらくのあいだ実現することはないだろうなぁ、と思います。

転職したいと思ったら、まずは「自分が何がしたいか」を明確に言語化できるか、考えてみると良いです。

もし、すぐに言語化できそうになく「いったんいいや」と思える場合は、今が転職のしどきではないかもしれません。

なぜ「自分が何がしたいか」を言語化する必要があるのか

前述した面接後、ぼんやりと「自分が何がしたいか(≒何のために働くのか)」について考えました。

というのも、リクルートという会社はほぼ毎日それを尋ねてくる文化の会社なので、否が応でも考えさせられるといった感じでした。

仕事におけるとある1つの事象をとっても、どうしてそういう行動をしたの? なぜそう思ったの? なぜ?なぜ?のオンパレード。

意志のない人、自分の意志を他者に伝えられない人にとっては非常にしんどい環境です。というか、意志のない人は採らない会社です。

ところが私は、「自分が何がしたいか」というお題については数年考えてもはっきりとした言語化なんて出来なかったし、まあそんなこと考えなくても日々は忙しく過ぎ去っていくわけなんですが、問題はつまずいた時。

人生うまくいかない時って、途端に「私ってそもそもなんで働いてるんだっけ……?」とか、下手したら「何のために生きてるんだっけ……?」とかそういう根本のところまで思考回路が行き着いたことはありませんか。

つまずいた時に、「自分が何がしたいか」を明確に持っている人はとても強い。

誰かのせいにしたりしないし、自分の軸やブレない芯を持っていて、人を惹き付ける魅力があります。

ある時、リクルートのマネージャーに、「何のために働くのかって(しつこく聞いてくるけどさ)、分かんないんですけどそもそも分かる必要ありますか?」と煮詰まって質問したことがあります。

その時の答えが印象的でした。

「そうだねぇ、例えばあなたが上司に、○○さんは何のために働くんですか?って聞いて、『いや俺は分かんないな~とりあえず働いてる』と言われたら、どう? その上司についていきたいって思う?」と逆質問されたことがあります。

確かに、自分も自分が何がしたいかよく分からないくせに、上司に対しては都合よく「アイツ何がしたいんだよ」とか思いがちだわ……と目からウロコでした。笑

実際、同世代の同僚たちの集まりなどでは、パッとしない上司のことを(自分らの仕事ぶりはいったん棚にあげて)、「アイツ何がしたいんだよ」と愚痴る場面って正直よく見る気がします。

そういう時の内容はだいたい、「○○部長って意志ないよね」とか「やらされてるだけだよね」とかだったり。

そう、知らずしらずのうちに自分よりも上の立場の人に対しては、意志があることを求めていたと思います。

だからこそ上司側の目線からいくと、応えられないわけにはいかないお題でもあるわけだなと思いました。

そう、当時私がついていきたい・この人と一緒に働きたいと感じるような人はみんな自分の意志を言語化出来ていて、ブレない芯が魅力のカッコいい人たちでした。

振り返ってみるとリクルートに魅力的な人が多かった理由はここでもあると思います。

意志なくヘラヘラやり過ごすような、いわゆる窓際課長的な属性の人がいない。

バラエティに富んだそれぞれの個が素敵で、人間的に惹きつけられるものがありました。

そんなわけで、その後リクルートから更に転職する際にみっちり自己分析し直して、今では「自分が何がしたいか(≒何のために働くのか)」を言葉にして言うことが出来ます。

そのハッキリとした自分の芯が、私自身のキャリアを切り開いてきたなと感じています。

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